12月7日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

張りのない人生が嫌になったので、夢を処方してもらった。

薬剤師には、「一錠飲んだら八時間空けてくださいね」と念を押された。

今日の日本では、夢を見られない老若男女の自殺が社会問題になっている。

国の偉い人々も問題視して、ついに医者が夢を処方できるようになったのだ。

初めて夢を飲み込んで、俺は少し泣きそうになった。

他のやつらはこんなものを見ていたのか。

夢のない自分に圧倒的なハンディキャップを感じた。

夢のためなら耐えられるという感覚を知った。

けれどそれは一瞬で、すぐに処方によるものだと確信してしまう。

用法用量なんて守ってられるかと、俺は二時間と経たずに二錠目を飲み込んだ。

※この物語はフィクションです