12月1日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

マフラーを巻いた君が言う。

「もう世界はおしまいだよ」

唐突なその言葉に僕は少し笑いながら、どうしたのさ、と問いかける。

「もう少しで終わってしまうの」

真面目な君が妄言を吐くようなことは今までに一度もなかった。

信号が青に変わって、僕が「何の冗談だったの?」と聞いて、彼女は「何でもないよ」と答える。

ところでさあ、と彼女が言って、その時の話は元に戻ってしまった。

後になって、電車に乗って、一人になってから思い出した。

あのとき世界が終わってたかどうか、僕は分からない。

たとえ世界にバグがあったとして、僕に見破る術はない。

※この物語はフィクションです