11月28日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

今テレビに出ているあの子は、中学校の時僕と同じクラスだった。

なんだか不思議な雰囲気を持つ、穏やかそうな女の子だった。

僕は一度だけ彼女と出かけたことがある。

グループワークの調べ物をするために遠くの図書館に行ったのだ。

他の班員が来ないことを確認した彼女は伏し目がちに、仕方ないね、と言っていたことを覚えている。

誰かにやらされている作業、それを淡々とこなす彼女。

その印象ばかりが先に行ってしまって、画面越しの彼女が同じ人だと思えない。

彼女が選んだ道だとしても、やりたくない仕事はあるだろう。

今彼女は大きく手を振ってファンに向かって呼びかける。

仕方ないね、と薄く笑う彼女は、今はもういないのかもしれない。

※この物語はフィクションです