11月14日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

先輩は貼らないカイロの使い方を知らなかった。

私が渡したビニールから出したてのカイロを、ただ大事そうに握って寒そうにしていた。

私が使い方を教えて、先輩は必死に振って、そんなに暖まらないものだったんだ、とがっかりしていた。

「時間が経てば暖まりますよ」

「そんなもんなのかなあ」

「原因って一つとは限らないものじゃないですか」

カイロが暖まらないのだって、不良品だからじゃなかったし。

先輩は、そっかー、と言いながらカイロを振る。

「そうしたら、冬が寒いのの原因も一つじゃないのかもしれないね」

私は冷たい手をポケットの中でギュッと握りながら、そうだったらいいですね、と言った。

※この物語はフィクションです