11月2日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

耳を塞ぐように、丸くなって縮こまって、浴槽の中のおへそを見ていた。

どうして人の気持ちが分からないのか考えていた。

ゆらゆら揺らぐ水面、広がる波紋と照明の光と影。

そのどれもが分かるはずないのに、なぜ人の気持ちが分からないことだけが苦しいのだろう。

分からないことばかりがこの世の中にはあって、自分が分かろうとしているものの方が少ない。

分からないことを分かろうとしている、分かろうとしているのに分からないから苦しい。

考えてみたら、私の気持ちを分かっている人だって一人もいないのだ。

私に理解を求めるあの人たちは、私のことをどこまで理解しようとしているのかな。

それだって、私に分かるはずのないことだ。

いや、きっとそれだって怠慢で、言い訳の一つに過ぎないのだけど。

※この物語はフィクションです