10月21日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

軒先で、彼女が待っていたのは空だった。

通りかかった僕は傘を差し出す。

「お嬢さん、どちらまで?」

彼女は顔を強張らせる。

「いいよ、悪いから。君の時間を奪うことになるだろ」

「いいじゃないか、ちょっとくらい恩を売らせてよ」

笑いかけた僕は、ぎこちなく映っただろうか。

きっと誰もが自然にできることを、僕は気づくことさえ少ない。

そんな自分でも何か変わればと思うから。

降り注ぐ雨の中、誰かに雨傘を差していこう。

※この物語はフィクションです