10月20日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

久しぶりに読んだ本は、やっぱり陰鬱なミステリーだった。

本の内容よりも、まだ本を読んでいる事実の方が苦しかった。

眼鏡よりコンタクト。ジーンズよりスカート。読書よりミュージック。

少しずつ、新しい自分に慣れてきていたのは気のせいだったみたいだ。

もう一度本を読もうと思ったのは、やっぱりそれが自分じゃなかったから。

誰かのためじゃないし、誰のせいでもない。

それでも誰かのためだと思われてしまうのが、誰かのせいだと思われてしまうのが無性に苦しかった。

涙を隠すように布団に潜った。

夢の中に出てきた顔。

前のあなたの方が好きでした、なんてそんなこと言われたって。

※この物語はフィクションです