9月27日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

ガラス瓶の中の球体を落として、ジュワジュワした香りを鼻に運ぶ。

「このビー玉、取ろうとしたことある?」彼女の長い髪は少し冷たい風に揺れる。

「知ってるか、このガラス玉はビー玉じゃなくてエー玉って言うんだ」

「知ってるよ、そんなこと」彼女は目を細める。「子供みたいね」

海岸線はゆっくりと冬に近づいている。

ミサイルがもたらした夏の終わりが、僕らもこの星ももう長くはないことを示している。

「僕も呼ばれたから、行かないといけなくなった

言葉を放ったあとの口がもどかしくて炭酸を呷る。

「ラムネ、季節外れになっちゃったね」

僕らはいつまでも、夏に溺れていたかった。

※この物語はフィクションです