9月20日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

手帳をなくした。

それでの日々が泡になって消えていったように感じた。

予定も、日記も、メモも、全部がどこか遠くに行ってしまったのだ。

手帳は綺麗にまとめるのが好きな方で、そのためだけに色ペンを買っていた。

自分だけしか見ないはずのものは、とうとう誰も見ないものになってしまった。

けれど、炭酸の泡のように消えていく様子が、むしろ綺麗に感じるのだ。

儚い自分の記憶の中から、すり抜けていく予定が愛おしく感じる。

確か今週先輩との食事の予定があったはずだ。

何日だか分からないその予定を、忘れてしまったことにした。

その方が、秋めく空を感じられるような気がした。

※この物語はフィクションです