9月15日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

溶け出した思いが徐々に畳を侵蝕していった。

「なんでもないよ」受話器に向かって口にした言葉は、いつもと同じ。震えてない。

おやすみ、と言って電話を切る。思いは床に流れ出てしまって、身体を動かす度にピチャピチャと音を立てる。

それでもまだ足りないらしい。

明日の朝には窓から流れ出て、私の思いで街を浸してしまうのかしら。

そしたらきっとあの人も気づくはずだ。

私の思いがこんなにも溢れていることに、気づくはずなのだ。

本当は無理なこと、分かっているけれど。

現実ではできないことだと分かっているのだけれど。

ファンタジーが答えを教えてくれたら良いなって思いながら。

※この物語はフィクションです