【今日のエモい情景】
深夜三時はとうに過ぎて、僕らは深海の中を泳いでいる。
永遠にも似た残り三時間は僕らの脳とは噛み合わせが悪くて胃もたれしそうだ。
「明日は来ないよ」口から放った言葉は水面に出ることはない。
泡になって消えてしまうのだ。
僕らの言葉が意味を持つまでの残り三時間。
この町と一緒に、僕らも溶けてしまうこともできたのだろう。
それができない僕らのほんの少しの抵抗。
「明日は来ないよ」放つ言葉が町に呪いをかける。
甘ったるくてしつこくて、それでも甘美な残り三時間を呪いは永遠に変えてしまう。
僕たちだけの深海を、今はゆっくり味わうのだ。
※この物語はフィクションです
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