7月16日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

僕の記憶力なんてすごく悪いからさ、君がいろんなことを忘れちゃっててもおかしくないと思うんだ。

僕が告白をしたときのこと。君は最初薄く笑って、それからはにかんで、全てを理解したみたいに笑ったんだ。

記憶力が悪くても、僕はあの時のことは忘れなかった。

人間の顔は皆同じように見えてたけど、君の表情だけは数え切れないほど在るんだなって思えた。

炎天下の中会社から家まで歩いたことも、忘れちゃってるのかな。

汗ベッタベタでさ、それでもタクシーを呼ぶ金なんてなかったから、しりとりしながら歩いたんだ。

君とお別れしたとき、青い空が綺麗で、崖の方を向いた君がこっちを振り返って言った言葉、聞き取れなかった。

君を幸せにできなかったこと、申し訳なく思ってたけど、なぜか君の選んだことが間違ってたとは思えないんだよ。

天国には季節なんてなくて、常に適温なんだろうな。

覚えてる? 夏が暑かったこと。

※この物語はフィクションです