7月5日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

「おじさん、これで、いいの? おばあちゃん、死んじゃうよ?」

泣きそうな少年は、目の前のことが理解できない理由を未熟さのためだと信じようとしていた。

「仕方なかったんだよ」

私は少年の手を強く握りしめる。

目の前で炎に包まれている屋敷の中、老婆が一人で逃げられないことは分かっている。

「いいかい、これは二人だけの秘密にしよう」

私は悪を注ぐ。少年という器に真っ黒い廃油のような悪を注ぎ込む。

「君がおじさんとまだ一緒にいたいなら、誰にも言ってはいけない」

ああ、私怨の果てを見たこの子は、一体どんな風に育っていくのだろう。

君は悪くない、とそう言う私にも優しさが存在するということを、この子はどう受け止めてくれるのだろう。

※この物語はフィクションです