6月20日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

彼が未だに私の家に謝罪に来るのには、理由があるそうです。

なんでも、彼がひき殺した少女の顔が忘れられないからだとか。

最初は素直に律儀な人だと思われていたのに、何度も謝罪に来るから、最近では気味悪がられてしまっています。

菓子折さえ受け取ってもらえない始末になりました。

実は私も、その顔が忘れられないのです。

狙い澄ましたような目。

思い通りの展開につり上がる口角。

一瞬のうちに痛みに歪む表情。

フロントガラスに映った私の顔を、私は忘れることができないのです。

謝罪すべきは私の方なのになあと思いつつも、軽い身体は暢気にふわふわするだけでした。

※この物語はフィクションです