6月10日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】 

「世界、終わっちゃうんだってさ」君はそう言いながらインデペンデンス・デイの録画を途中から流す。

「なんで今それ見るんだよ」僕もそう言いながら、今しか見るタイミングもないだろうと思っている。

地球に侵攻してきた宇宙人の攻撃によって、都市は滅亡してしまった後のシーンだ。

核は使うか使わないか、と相談しているシーンで、「使っちゃったねー、核」と君はつぶやく。

僕はそれを無視して見ている。

宇宙人が拳銃で撃ち殺されるシーンを見ながら、「あんなんで死ぬ宇宙人だったら良かったよね」と君はつぶやく。

僕はずっと黙って見ていた。

結婚式のシーンで、手を握った彼らを見ながら、僕らも手を握った。

瞬間、電気が消えて、テレビも消えて、僕らは終わりがそこまで来ていることを知った。

キスをしようにも防護服が邪魔で、プラスチック同士がコツンと当たる音が僕らの最後だった。

※この物語はフィクションです