6月5日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

君の濡れた長い髪が、絞れるほどの夕立。

私の制服の裾から、滴るほどの夕立。

駆け込んだ駄菓子屋のおばちゃんはいつもと同じ仏頂面で、「なんか買ってくかい」と声をかけた。

久しぶりに開けたラムネの瓶から、涼しさがこぼれ落ちる。

炭酸の泡が弾けるように、きっとこの瞬間も、弾けて後には残らないのだ。

そんな爽やかな夏を、私は勢いに任せて飲み干した。

瓶が空になるのを見ていた君は、夏が来たと言って笑った。

雨は止まずに雷が鳴り始めて、私たちは次の駄菓子を物色し始める。

来年もこんな風に。

雨が降って、雷が鳴って、夏だねって笑って。

※この物語はフィクションです