5月16日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

下りのエレベータが嫌いだった。

下がり始める瞬間の若干の浮遊感。

寂しくなるような足下が、私自身の存在を自覚させる。

久しぶりに会ったあなたは、そんな些細なことは覚えていないようだった。

みんなと楽しそうに話しながら、一階のボタンを押す。

自分だけ遠くにいるような透明な存在感とは裏腹に、重力は落ちていく私を逃さない。

どこまでも、どこまでも私はここにいる。

友人の結婚式なんて、来なければ良かった。

どうか、私を一人にさせて。

幸せなんて、どこにもない場所につれてって。

※この物語はフィクションです