5月3日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

瞬いた街灯を見上げたときに視界に入ったものは、ここ数日全く存在さえも忘れていたものだった。

月なんて、久しぶりに見た。

しばらくぶりの月は雲に隠れて、それでも月と分かるほどの輝きが印象的だった。

その輝きを羨ましいとは思わない。

隠されていても見えるほどの輝きも、それだけ輝ける努力も、気力も、妬むようなものじゃない。

ただ、自分にはなかったなあと思った。

時代が違うのかもしれない。

環境が、友人が、家族が違えば、変わっていたのかもしれない意識。

今の僕しか持ち合わせていない感覚に抱かれて見上げる月。

少なくとも、昨日あったはずのものとは違う月。

※この物語はフィクションです