4月29日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

この写真に写る私は、十年前の私だ。

十年が経過して、この写真を見て、恥ずかしくなるほど私は変わっている。

過去を写すそのフィルムには、あったはずの事実が残る。

過去を証明する術はないけれど、すべての本当を写し出すことはできないけれど。

いつだって、そこには移ろいだ過去の軌跡が焼き付いている。

まるで蜃気楼のように、確かに私はそこにいたのだ。

きっと今日の私も、少しずつ変わって、陽炎の中に消えてしまう。

それでもカメラを自分に向けるのは恥ずかしいからと、カメラを持って出かけることにした。

記録を残したくなった私がいたことは、写真という形で残る。

十年後の私はそれを見て、何を撮るのだろう。

※この物語はフィクションです