4月18日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

名残ってこういうことを言うんだと、表札を見て思ったのでした。

そこにはくっきり彼の名前が残ってまして、むしろなんで今まで気づかなかったのかと思うほどです。

違う人が同じ場所に住もうだなんて、考えてみれば異常ですよね。

今でもふと、無意識に椎茸を抜いてしまうことがあるのです。

あ、もう椎茸入れていいんだ、とそう思って入れるのですが、今日ばかりはダメでした。

彼の名前の書いてあるこの部屋で、椎茸を食べている違和感になぜだかぽろぽろ泣いてしまうのです。

嫌いになれなかったなあ、椎茸。

嫌いになれなくてよかったのかなあ。

きっと私はこれからは何事もなく椎茸を食べるのでしょう。

そのたびに思い出す彼の顔は、どうやって移り変わっていくのでしょう。

※この物語はフィクションです