4月8日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

「収縮する餃子の宇宙は体積を減らしつつも計り知れないほどの莫大なエネルギーを保ったままでいるのだ!」

「君、少し黙って食べられないのかい?」私は周りの目線を気にしながら後輩くんをなだめる。

「これほどの高エネルギー物質を摂取した僕の身体はもはや原始宇宙です! 黙っていられますか!」

「まあまあ……」きっとおいしかったってことなんだろうなあと思うけれどこのリアクションはさすがに恥ずかしい。

彼の言っている事は支離滅裂で意味不明でも、彼の目だけは感情を素直に表現できているのでとてもわかりやすい。

彼と一緒にいて分かったのは、言葉を超えた意思疎通は多分に存在するということ。

彼が人格形成でどんな影響を受けたかなんて知らないけど、素直な気持ちって言葉じゃなくても伝わるんだなと思った。

「原始宇宙にはまだまだエネルギーが足らないようなのですが、僕のリソースも足らなかったのでした……」

「お、おかわりかな? 私は後輩に出させるわけにはいかない……って意味分かるよね?」

彼の困惑した目線に、「いや、私もまだ食べるしさ」と下手な言い訳を付けてはにかみながら店員を呼んだ。

※この物語はフィクションです