3月18日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

君の瞳は夜を集めたみたいで、その瞳に宿る光は恒星の粒のようだった。

君の姿はいつもどこかおぼろげで、放っておいたらそのまま夜に溶けてしまいそうだった。

明るく振る舞う私のことを、君は嫌いで仕方なかったでしょう。

けれどそれぐらい夜の似合うあなたが、夜に溶けてしまうのが私はどうしても嫌で、それで明るく振る舞っていたのだ。

そんな話を君にしたとき、君は笑って、心配しなくて良いと言った。

夜に溶けるのは本望だけれど、それを止めてくれる人がいるならそれ以上は望まない、と。

君がいなくなった夜、あの夜は凍えるほど冷え切って、星々の輝く様は喝采を上げているみたいだった。

君が夜に溶けたのを喜ぶみたいに、あるべき場所に還ったことを寿ぐように、私の慟哭なんて聞こえないみたいに。

私の大好きだった君を連れて行ってしまった夜を、それでも私は嫌いになれない。

それは君の瞳の色をしているから。

※この物語はフィクションです