2月21日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

富士山を見に来たはずなのに、僕は夕日ばかり見ていた。

海岸線沿いを歩きながら夕日を眺めていられるのは、夢のような心地だった。

夕日を見つめていると、太陽ってすべての色でできているんだなあと言うことを思い知る。

赤だけじゃない。

青、黄色、ピンク、緑、群青、紫。

そのどれもが重なり合って眼鏡に映りこむ。

目をそらすと、その重なった色が黒く目の中心に焼き付いているのがわかる。

カメラを持ったカップルとすれ違うときに、その黒を彼女の顔に乗せるのが嫌で少し顔をそらした。

あの灯台まで向かう道を歩ききる頃に、日は沈むのだろう。

暗くなるまでもう少し、歩いていよう。

※この物語はフィクションです