2月4日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

梅の花が咲いていた。

春はもうすぐそこだと耳打ちされているようだった。

私にとって、二度と訪れないはずだった春が、来てしまうのだ。

あれから一年が経つというのに、踏ん切りがつかなかった私は、二度と春を見ないと決めたことさえ破ろうとしている。

あの時の気持ちがどうでも良くなったわけじゃない。

あの出来事をなかったことにしようと思うわけでもない。

けれども死んで逃げることを、あのときの私が望んでも、今の私は許せない。

晴れやかな気持ちはどこにもなくても、この先を生きることが私の罰だ。

梅の花が咲いている。

もうすぐそこに迫った春を、息を呑んで待ちかまえよう。

※この物語はフィクションです