1月31日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

どうしても許せないことがありました。

私は、偏見を持つ人が大嫌いだったのです。

もちろん、この言葉も偏見でできています。

『偏見を持つ人』に偏見を持っている私のことも、実のところ許せないままでいました。

そんなわけで、偏見でできた言葉を気軽に吐く人を見ると、私は自分がどんどん嫌いになるのでした。

という話は、今まで誰にもしたことがなかったのですが、こういう機会ですし喋っておいたほうがいいと思ったのです。

これから一生寝食をともにする相手が、こんな人間だなんて後出しジャンケンみたいでずるいかもしれないですけど。

私がそう言うと、あなたは「別にそういうお前がいたって良いんじゃねえの?」とぶっきらぼうに答えました。

雑な態度まで気づかいに含まれることが、今や数年をともにしてきた私には分かってしまうのがうれしかったのでした。

数年前の私は先見の明があったのだと、後でれんこんを切りながら一人思い出して顔を赤らめる私がいました。

※この物語はフィクションです