12月31日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

本しか読んでこなかった僕が、一昨年初めて見たバラエティ。

正直馬鹿にしていたその番組を、居候の彼のせいで僕は見ることになったのだった。

思った通りのくだらない番組を、鼻で笑っている自分の横で、腹を抱えて笑うそいつがいた。

何も面白くないのに、彼が笑うのがなんだか嬉しくて、気づくと笑っている僕がいる。

いつまで続くかわからないとは思っていたその年末が、こんなに早く終わるとは。

一人で観るその番組は、やっぱりいつもと同じくだらない番組だった。

それでもなぜか、見てしまう。

笑っているそいつが戻ってくる気がして。

一人で迎える年の暮れが、少しだけ寂しく、少しだけ懐かしい。

他人の笑いと除夜の鐘が、やけに部屋に響く。

※この物語はフィクションです