12月24日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

イルミネーションは冷えた空気の隙間を埋めるように輝く。

凍りそうな気体と眩しいほどの光の隅っこで、似合わない赤に身を包んでケーキを売る私。

むしろこれくらいが似合ってるのだろうと、半ば世界に諦めたような気持ちで、声だけは高く祝福を叫ぶ。

誰も足を止めることはない。

この身を包む赤が頭巾なら。

売っているものがマッチなら。

ふと頭をよぎった彼女も、最後まで幸せにはなれなかったことを思い出した。

今しがたから降り出した白い粒は、誰を祝福するためだろう。

少なくとも私を祝福するためじゃない。

凍えながら声を上げる私だって、誰の幸せも祈っちゃいない。

※この物語はフィクションです