12月2日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

割れたプラスチックのルビーをまだ薬指にはめているのは、忘れていないからなのだ。

私がそれをローファーで踏みつけたあの日は雨だった。

あの子に彼氏ができた日。

私とあの子との永遠は、淡く消え去ったのだと思った。

誓いを破ったあの子が、許せなくて、許せなくて。

意味を為さなくなった誓いの証に、力任せに左足を振り下ろしたのだった。

それでも翌日それを拾いに行ったのは、忘れられなかったから。

貰った理由も買ったお店も歩いた町並みも話した内容も笑顔も涙も感情も、忘れられるわけがない。

半分欠けたルビーは、永遠という夢の思い出の証。

私がかつて夢を見ていたことの証。

※この物語はフィクションです