9月17日 今日のエモい情景

【今日のエモい情景】

一瞬なのか、しばらくだったのか、わからなかったが時計を見て安堵する。

よかった、まだ寝ていない。

僕は自分の信念のために、彼女の苦しみを、理解しなくてはいけないのだ。

冷水で顔を洗い、100時間以上寝ていない顔を思いっきりはたく。

彼女は強烈な眠気の中、原因不明の痛みのため何日も眠ることができず、最期は自分の手で命を絶った。

きっと想像を絶する苦しみだったのだろう。

それでも精神科医の僕は、どんなにつらい思いをしている人でも自らの命を絶つことを是とすることはできなかった。

彼女の苦しみが人を殺すのに足りるものなのか、人の命の重さを懸けて僕は彼女に思いを馳せている。

目を閉じてはいけない、目を閉じてはいけないと必死に念じる。

僕の意識がこの部屋という夢に囚われていったことを、絶望とともに知ったのは半日ほど後のことだった。

※この物語はフィクションです